九都県市首脳会議「地方分権改革の実現に向けた要求」を提出し ます
平成24年5月16日に開催された第61回九都県市首脳会議の合意に 基づき、熊谷千葉市長が、九都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈
川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)を代表して、 別添のとおり国に対して要求書を提出しますので、お知らせします。
1 提出日時 平成24年5月23日(水)15時10分 2 提出先 内閣府
3 要求内容 別添のとおり
平成24年5 月22 日 九都県市同時発表
埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、 横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、 相模原市
問い合わせ先
相模原市広域行政課 電話:042-769-8248
地方分権改革の実現に向けた要求
地域の自主性・自立性を高め、個性豊かで活力ある国家を築くためには、地方 分権改革の着実な推進が不可欠である。
そこで、本日、九都県市首脳会議は、政府に対し、真の分権型社会の構築に向 け、政治主導で迅速かつ全力で取り組み、地方の意見を十分に踏まえ大胆な改革 を断行するよう、以下の事項を強く要求する。
また、我々も当事者として、強力に改革を推進していく決意で臨むものである。
Ⅰ 真の分権型社会の実現
地方自治体が地域の特性を生かし自主的・自立的な行財政運営を行うことが できるよう、「補完性の原則」に則った国と地方の役割分担の適正化や、地方 の自由度の拡大などの観点から、次の改革を徹底して行うこと。
(1)更なる権限移譲の推進
国と地方の役割分担の徹底した見直しを進め、国から地方への権限移譲及 び都道府県から基礎自治体への権限移譲を大幅に進めること。
その際、移譲先の地方自治体に財政負担が生じないよう、確実な財源措置 を行うこと。
(2)更なる義務付け・枠付け等の見直し
国による関与、義務付け・枠付けについては、早期に、廃止を基本とした 更なる見直しを徹底するとともに、法制化により既に設定されたものの撤廃 も含め、「従うべき基準」の設定は行わないこと。また、条例による法令の上 書き権を認めるなど地方自治体の条例制定権を拡大すること。
(3)ハローワークの地方移管など、国の出先機関の原則廃止の確実な実現 国の出先機関の事務・権限については、住民に身近な行政はできる限り地 方自治体にゆだねることを基本に、都道府県・指定都市に移譲し、国の出先 機関の原則廃止を確実に実現すること。
その際、事務事業に必要な税財源等を一体的に移譲するとともに、人員の 移管については、地方と十分に協議を行うこと。
また、以下の事項を踏まえて取り組むこと。
ア ハローワークについては、地方が担っている事務・権限との一元化に より、住民の利便性向上などの大きなメリットを生み出せることから、
何ら権限移譲を伴わずに二重行政を助長する国と地方の一体的な実施な どではなく、直ちに移管すること。
イ 「直轄道路」、「直轄河川」については、早期に国において財源措置等 の具体的な制度的枠組みを個別協議の前提として明示するとともに、地 方が求めるものについて適切な移管時期などを関係自治体と十分に協議 した上で、移管すること。
ウ 「ハローワーク」、「直轄道路」、「直轄河川」以外の事務・権限につい ては、各府省が行った「自己仕分け」の範囲にとどめることなく、地方 が求める事務・権限を速やかに移譲すること。
(4)「国と地方の協議の場」の実効性ある運営
国と地方は対等・協力の関係にあるとの基本認識のもと、引き続き地方の 意見を真摯に受け止め、確実に政策に反映させること。
そのため、政策の立案の段階から、法に基づく分科会も含め、協議事項に ついて十分に説明するなど、実効性のある協議の運営を行うこと。
また、地方側の代表者の数を増やすとともに、指定都市の代表者を正式な 議員として位置付けるよう見直しを行うこと。
(5)真の分権型社会の実現に向けた「地域主権推進大綱(仮称)」の策定 真の地方分権改革を実現するため、「地域主権推進大綱(仮称)」の策定に 当たっては、地方との協議を事前に十分行い、地方の意見を反映させること。
(6)地方自治体の裁量権を広範に保障する地方自治法の抜本改正
現行の地方自治法をはじめとする地方自治制度は、地方自治体の組織・運 営の細目に至るまで規定し、事実上、国が地方行政を統制する仕組みとなっ ていることから、地方自治体の裁量権を広範に保障するため、地方の意見を 十分に踏まえ、早急に地方自治法を抜本改正すること。
(7)「自らの判断と責任で行政を運営する」という原則に立った国等の裁定的関 与の見直し
地方自治体が行った処分について、国や都道府県が審査請求・再審査請求 の手続を通じて関与する裁定的関与は、国民の権利利益を迅速かつ公正に救 済する仕組みにも配慮した上で、地方自治体が自らの判断と責任において行 政運営を果たせるよう見直すこと。
Ⅱ 分権型社会にふさわしい地方税財政制度の構築
地方の課税自主権の強化を前提とし、国と地方の役割分担に応じた税財政制 度を確立するため、次の改革を一体的かつ強力に推進すること。
その際には、我が国最大の大都市圏である九都県市の行財政需要を的確に反 映するなど、それぞれの地域の特性を十分に考慮すること。
(1) 税源移譲の確実な推進
地方が担うべき事務と権限に見合った地方税源の充実強化を図るため、国 と地方の税体系を抜本的に見直し、必要な地方への税源移譲を確実に進める こと。
また、国と地方の税体系を抜本的に見直す際には、真に住民に必要なサー ビスを地方自らの責任で自主的、効率的に提供することができるよう、地方 消費税について、税率の引上げを含めた積極的な拡充を図るなど、税源の地 域偏在性が少なく、安定的な税収を確保できる地方税体系を構築すること。
(2)地方の参画の下での「社会保障・税一体改革」の推進と地方税財源の確保 地方自治体は、医療、介護及び子育て施策など幅広い社会保障行政におい て、サービスの運営・給付主体として、重要な役割を果たしている。
このことを踏まえ、社会保障・税に関わる番号制度を含め、各種社会保障 制度の設計に当たっては、「国と地方の協議の場」を通じて地方の意見を的確 に反映させるとともに、今後も増加が見込まれる社会保障分野に係る行政需 要に見合った地方税財源を確保すること。
(3)地方法人特別税及び地方法人特別譲与税の即時撤廃
不 合 理 な暫 定 措 置で あ る 地方 法 人 特別 税 及 び地 方 法 人特 別 譲 与税 は 直 ち に撤廃し、国税化された法人事業税を地方税として復元すること。
また、地域間の税収格差の是正は、地方分権を踏まえた国・地方の税体系 の実現や、行財政需要を的確に反映させる地方交付税制度の構築など、地方 税財政制度を抜本的に改革する中で行うこと。
(4)地球温暖化対策に関する地方税財源化の制度の創設
地方自治体が地球温暖化対策に果たす責任と役割などを踏まえ、地方の意 見を取り入れながら、地方税財源化の制度を早急に創設すること。
(5)地方の貴重な財源である自動車取得税及び自動車重量税の見直しにおける 地方税財源の確保
自動車取得税及び自動車重量税の見直しを行うに当たっては、これらの税 が地方自治体の都市基盤整備などの貴重な財源となってきた経緯を踏まえ、 国の責任においてこれに代わる安定的な地方の税財源を確保すること。
(6)地方の行財政需要の的確な把握と必要な交付税総額の確保
地方交付税については、地方の行財政需要を的確に把握し、地方の安定的 財政運営に必要な交付税総額を確保するとともに、地方交付税は、地方固有 の共有財源であることを明確化し、国による義務付けや政策誘導を排除する こと。
また、地方財源不足の解消に当たっては、地方が国に代わって借金する臨 時財政対策債を廃止し、地方交付税の法定率引上げによって対応すること。
(7)税源移譲までの経過措置とすべきである地域自主戦略交付金の取扱い 国庫補助負担金については、地方への税源移譲を中心とした抜本的改革を 進めるべきであることから、地域自主戦略交付金は、税源移譲までの経過措 置とし、国は速やかにその工程を明らかにすること。
地域自主戦略交付金の交付に当たっては、首都圏の都市基盤整備等の意義 や役割を踏まえた行政需要を斟酌した上で、各団体が担うべき事業の必要額 が安定的・確実に確保できるようにすることとし、国の一方的な財源捻出の 手段として総額削減は行わないこと。
また、地方自治体間の財政調整は、地方交付税により行うべきであり、地 域自主戦略交付金による財政力格差の是正は行わないこと。
さらに、交付金の使途は対象補助金の範囲内とせず自由に選択できるよう にするとともに、対象となる要件や補助率を撤廃するなど国の関与は最小限 とし、地方の自由度を高め、地域の知恵と創意が生かされる制度とすること。
(8)国と地方の役割分担を明確にした国直轄事業負担金の見直し
国直轄事業負担金の見直しに当たっては、国と地方の役割分担を明確にし た上で、国が行うべき事業は、国が全額費用負担し、地方が行うべき事業は、 権限と必要な税財源を移譲するとともに、見直しの具体的な手順等を盛り込 んだ工程を早急に示すこと。
ま た 、 国 直 轄 事 業 の 実 施 や 変 更 に 当 た っ て は 、 国 直 轄 事 業 負 担 金 を 負 担 する都道府県及び指定都市の意見を確実に反映すること。
なお、国は、地方が国に支出した国直轄事業負担金について、厳正な検査
を行い、不適切な支出を防止し、不適切な支出等があった場合は地方自治体 に負担金を返還する仕組みを検討すること。
平成24年5月23日
内閣総理大臣 野田 佳彦 様
九都県市首脳会議
座長 千 葉 市 長 熊 谷 俊 人 埼 玉 県 知 事 上 田 清 司 千 葉 県 知 事 森 田 健 作 東 京 都 知 事 石 原 慎太郎 神奈川県知事 黒 岩 祐 治 横 浜 市 長 林 文 子 川 崎 市 長 阿 部 孝 夫 さいたま市長 清 水 勇 人 相 模 原 市 長 加 山 俊 夫